マーケティングリサーチ手法大全

　マーケティングリサーチはビジネスの成功に欠かせない要素です。リサーチを通して市場や顧客ニーズなどの正確な情報を手に入れることで、商品やサービスの開発、広告戦略といった様々なビジネスの展開に役立てることができます。今回は現状の把握や潜在的なニーズの探求に役立つマーケティングリサーチにおける主要な手法をそれぞれ解説していきます。

リサーチ手法を考えるうえで大切なこと

　リサーチ手法は様々ありますが、「調査を通してどんなデータが欲しいか」を考えることが大事になってきます。

　例えば、あなたが新しいサービスを開発することになったとします。

　まず「世の中のニーズの把握」から始めていきたい場合、データを回収するターゲットに制限などを設けず幅広い範囲のターゲットに対して調査を行い大量のデータを回収することで、世の中の全体像を把握することができます。

　一方、ある程度ターゲットが決まっている場合は、そのターゲットに直接「今使っているサービスの良いところ、良くないところ、改善してほしいところ」などを問うことで潜在的なニーズなどの抽出が可能です。

　このように場面やタイミング、得たいデータによって、回収すべきデータの性質は異なってきます。自分が今得たい情報はどんなデータなのかを熟考して、そのデータを的確に回収できる手法を選ぶことがマーケティングリサーチの大事な点でもあります。

　以下からそれぞれの手法を得たい情報に紐づけて解説していきます。

デスクリサーチ

　何か気になることがあったら、まずインターネットでそのことについて調べるという方がほとんどではないでしょうか。それも立派なリサーチ手法の一つでデスクリサーチと呼ばれます。オンライン上で簡単に情報を集めることができ、全体像を把握したい場合などに役立ちします。その反面フェイクニュースなども混在しているため、ファクトチェックなどの内容の精査は欠かせません。

アンケート

　マーケティングリサーチの手法として最も有名なのがアンケートです。現代では、主にウェブでアンケートを行うことで膨大なデータを回収することができます。質問に対して選択肢を用意する【選択肢形式の設問】が一般的ですが、【自由回答（フリーアンサー/オープンアンサー）形式】の設問を用いることで定性的な感想や意見などもテキストデータとして引き出すこともできます。

グループインタビュー

　複数の回答者を1か所に集めてインタビューを行うリサーチ手法です。一般的には1グループ4～8名程度、最低2グループ以上で行います。回答者を絞っているので限定的な意見を引き出す性質を強く持ちます。モデレーターと呼ばれる司会や進行役を務める人には、アドリブや気遣いといった場を回しながら適切な回答を引き出す高度な技術が求められます。

デプスインタビュー

　グループインタビューよりさらに深いニーズや隠された動機を探りたい場合には、グループではなく、個別にインタビューを行います。それがデプスインタビューと呼ばれる、回答者と1対1で話しながら詳細な情報を収集する手法です。5～10名程度の回答者にそれぞれ個別にインタビューを行うことが一般的です。グループインタビューと同様に、能力のあるインタビュアーによる実施が望まれます。

ホームユーステスト

　商品などを回答者の家に配り、回答者自身の生活環境で試してもらう手法です。自身のペースでサンプルを試してもらうので、実際の質感や感想を引き出すことができます。しかし、サンプルの用意や対象者への郵送といった手間がかかるので、予算に余裕があるプロジェクトでないと実施が難しい手法でもあります。

郵送調査

　アンケートを郵送して回答を求める手法です。ホームユーステストのサンプルがないバージョンでもあります。広範な地域にアンケートを送付し多様な意見を大量に収集する際に利用されますが、確実に返送される保証はないため扱いが難しい手法でもあります。また現代では、大規模な調査はWEBでのアンケートがありますで、優先度が低くなっています。

電話調査

　電話調査は迅速なデータ収集を大量に回収したい場合に適した手法として、長く一般的な手法でした。しかし、大量のデータを回収したい場合はインターネットリサーチを選択することが一般的となり、結果的に現在ではあまり使用されていない調査手法となりました。

まとめ

　マーケティングリサーチを行う上で、多種多様な手法から適した手法を選択することは非常に大事です。求めている情報を正確に収集するためにも、得たいデータはどんなデータなのかを熟考することから始めてみましょう。

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